SES営業から転職するには?転職先の選び方と面接での伝え方を解説

SES企業で営業として働くうち、クライアントとエンジニアの板挟みやノルマの重さに疲れ、転職を考える人は少なくありません。評価が客先の評価に左右されやすいという仕組みそのものが、負担の原因になっているケースもあります。この記事では、SES営業からの転職先を4パターンに整理し、転職に有利なタイミング、面接でのネガティブな転職理由の伝え方、転職活動の進め方までをまとめて解説します。

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エンジニア転職ラボ編集部IT・エンジニア転職の解説メディア

SES営業からの転職について、転職支援メディアの解説記事やSNS・知恵袋の声、厚生労働省の統計にあたって書いています。SES営業に限定した年収を示す公的統計は見当たらないことを2026年9月18日に確認しました。個人の転職体験談は掲載していません。

SES営業からの転職を考える人が増えている背景

クライアントとエンジニアの間で調整に追われるSES営業のイラスト

SES営業とは、クライアント企業が抱える課題を聞き出し、自社に在籍するエンジニアの中から適した人材を選んで提案し、契約後も常駐先での状況を継続的にフォローする仕事です。クライアント・エンジニア・自社の上司という三方向から異なる要求を受け、その調整を一人で引き受ける立場になりやすい点が、転職を考えるきっかけになっています。まずこの構造を言語化しておくと、転職理由を整理しやすくなります。

クライアント・エンジニア・上司の板挟みという構造

クライアントは早く安くスキルの高い人材を求め、エンジニアは納得できる単価と成長できる現場を求め、社内の上司はノルマの達成を求めます。この三者の要求は一致するとは限らず、間に立つ営業がすべての調整を引き受ける立場に置かれやすいと複数の情報源で指摘されています。トラブル対応が夜間や休日に及ぶこともあり、負荷が積み重なりやすい仕事です。

評価がクライアントの評価に依存しやすい仕組み

SES営業の評価は、自社の上司による評価だけでなく、常駐先のクライアントからの評価に左右されやすい傾向があります。自分の努力だけでは結果をコントロールしきれない部分が評価に影響するため、頑張りが正当に反映されないという不満につながりやすいとされています。この仕組みを理解しておくと、転職理由を面接でどう説明するかを考えるときの土台になります。

  • クライアントからの急な人員要請への対応
  • 常駐エンジニアからの不満や相談への対応
  • 自社が課すノルマの達成
  • 成約までに数か月を要することがある成果の出にくさ
  • 常駐開始後も続く継続的なフォロー業務
編集部

板挟みの負荷は個人の能力の問題ではなく、仕事の構造そのものに原因があることが多いです。まずは自分がどの部分で消耗しているかを書き出してみましょう。

SES営業の経験は転職市場でどう評価されるか

SES営業の経験を職務経歴書にまとめるイラスト

SES営業の経験は、他業界の営業職や採用に関わる職種で一定の評価を受けやすい一方、そのまま強みとして伝わりにくい部分もあります。何が評価されやすく、何が懸念されやすいかを先に整理しておくと、職務経歴書や面接での説明の組み立て方が明確になります。強みと弱みを両面から把握することが転職準備の出発点です。

評価されやすいスキル

SES営業で培われるヒアリング力や、クライアントとエンジニアという立場の異なる相手を同時に調整する折衝力は、他業界の営業職でも評価されやすいスキルです。IT業界の商流や技術職の働き方への理解も、IT営業や人材業界への転職では実務にそのまま活かせる強みになります。担当してきた業界や職種の幅を、具体的な件数や期間で示せるようにしておくとよいでしょう。

評価されにくい点・懸念されやすいこと

一方で、SES営業は提案から成約までの過程で価格交渉や複雑な課題解決型の提案営業を経験する機会が限られやすいという指摘があります。面接では、成約件数だけでなく、どのような交渉や調整を自分の判断で行ったかを具体的に説明できるかどうかが見られやすくなります。数字の裏にある工夫を言語化できるかが評価の分かれ目になります。

  • 成約件数・担当社数を期間とセットで示す
  • 価格交渉や条件調整を自分の判断で行った場面を挙げる
  • エンジニアからの相談にどう対応したかを具体化する
  • クライアントとの関係を継続させた工夫を説明する
  • 職務経歴書は担当業務の羅列ではなく成果を軸に書く
💡 ここだけ押さえる

成約数や担当社数といった数字は必ず携えつつ、その裏でどう考えて動いたかを説明できる状態にしておくと、面接での説得力が上がります。

SES営業からの転職先を4パターンで比較する

SES営業からの転職先の選択肢を比較して選ぶイラスト

SES営業からの転職先は、同業のSES営業、分業型のIT営業、人材紹介・人材派遣営業、完全な異業種営業の4パターンに整理すると、それぞれの違いが比較しやすくなります。未経験からの受け入れやすさ、裁量の大きさ、評価の仕組みという同じ軸で並べると、自分が何を優先したいかが見えてきます。次の表に4パターンの特徴をまとめました。

転職先のパターン評価の仕組み向いている人
同業のSES営業前職と近く、クライアント評価に左右される構造は変わりにくい今の会社固有の問題(商流や社風)を切り離したい人
分業型のIT営業(SaaS等)担当領域ごとの成果で評価されやすい一人で抱え込む働き方から離れたい人
人材紹介・人材派遣営業求職者・求人企業双方への対応力が評価される人と企業をつなぐ仕事の経験を活かしたい人
完全な異業種営業業界知識の習得と並行して評価されるIT業界の商流そのものから距離を置きたい人

同業のSES営業へ移る場合

同業のSES営業へ転職する人は少なくなく、経験がそのまま評価されるため転職のハードルは比較的低い選択肢です。ただし評価がクライアント側に左右される構造そのものは変わらないことが多く、今の会社固有の問題と業界構造の問題を分けて考える必要があります。商流の深さや評価制度の透明性を、応募前に求人票や面談で確認しておくことが重要です。

分業型のIT営業・SaaS営業へ移る場合

SaaS企業などでは、見込み顧客への初期対応を担うインサイドセールス、契約を締結するフィールドセールス、契約後の活用を支援するカスタマーサクセスに役割が分かれていることが多くあります。SES営業のように一人で提案から契約後のフォローまで抱え込む働き方から離れ、担当領域を絞って成果を出しやすいという特徴があります。顧客の課題を聞き出す力やIT業界への理解は、この移行先でそのまま活かせます。

転職先選びで陥りやすい失敗

転職先選びでありがちな失敗は、求人票に書かれた年収レンジや商材の目新しさだけで決め、評価の仕組みや裁量の大きさを確認しないまま入社してしまうことです。結果として前職と同じようにクライアント側の評価に左右される構造の会社へ移ってしまい、転職の目的が達成できないケースが起こりえます。何が不満だったかを先に言語化し、その原因を解消できる転職先かどうかで判断することが大切です。

  • 評価が自社基準かクライアント基準か
  • 提案から契約後のフォローまで一人で抱えるか、分業されているか
  • ノルマの単位と達成頻度への要求
  • 担当する業界・商材が自分の関心と合っているか
  • 入社後に身につくスキルが次のキャリアにつながるか
編集部

「おすすめの転職先」は一つに決まりません。板挟みの負荷を減らしたいのか、営業スキルの幅を広げたいのかで、選ぶべき先は変わります。

転職に有利なタイミング 経験年数と年代別の考え方

経験年数を積みながらキャリアを考えるイラスト

SES営業からの転職は経験年数に関わらず可能ですが、実務経験を条件にする求人が増えるタイミングを把握しておくと選択肢が広がります。年数の長さだけでなく、何件の商談や契約を担当し、どのような役割を任されてきたかを合わせて考えることが判断の軸になります。年代によって求められる説明の仕方も変わってきます。

経験年数別の考え方

1〜2年目はポテンシャルや学習意欲が重視されやすく、営業未経験の業界への転職でも間口が比較的広い時期です。3年目以降は実務経験を条件にする求人に応募できる幅が広がり、担当してきた商材や案件規模を具体的に説明できると選考で有利に働きやすくなります。年数が浅くても、成長が止まったと感じた時点で動く選択肢は残っています。

30代以降の転職で求められること

30代での転職では、ポテンシャルよりも即戦力としての実績を具体的に語れるかどうかが重視されやすくなります。成約件数や担当社数を数字で示すだけでなく、なぜその会社・その職種でなければならないのかを、これまでの経験と結びつけて説明する準備が必要です。マネジメントや後輩育成の経験があれば、あわせて棚卸ししておくとよいでしょう。

経験年数評価されやすい点準備しておきたいこと
1〜2年目ポテンシャルと学習意欲今後伸ばしたい営業スタイルを具体的に言えるようにする
3〜5年目実務経験を条件にする求人に応募できる担当商材・案件規模・成約件数を数字で整理する
6年以上実績に加えマネジメント経験の有無後輩育成や組織運営の関与を言語化する

転職理由 面接でどう伝えるか

SES営業からの転職理由を面接で伝える様子のイラスト

SES営業特有の転職理由である板挟みの負荷やノルマの重さ、評価がクライアント依存であることは、そのまま話すと環境への不満が中心の人だと受け取られやすくなります。面接官が知りたいのは不満の有無ではなく、次の職場で何を実現したいかという前向きな方向性です。本音を整理したうえで、面接用の言葉に変換する作業が必要になります。

ネガティブな理由をそのまま話すと不利になる理由

「板挟みで疲れた」「ノルマがきつい」という理由をそのまま伝えると、環境が変わっても同じ不満を抱くのではないかと懸念されやすくなります。面接官は転職理由の妥当性だけでなく、同じ理由で短期間に再び転職しないかという再現性を見ているとされています。不満を隠す必要はなく、その裏にある「次に求める働き方」まで言葉にすることが評価につながります。

言い換えの型と対応表

言い換えの基本は、不満そのものを主語にせず、その裏で自分が求めている働き方や評価基準を主語にすることです。同じ事実でも、何を主語に置くかで面接官に伝わる印象が変わるため、話す前に一度書き出して変換しておく作業が有効です。次の表に、SES営業特有の転職理由と言い換えの例をまとめました。

そのまま話すと伝わりにくい理由言い換えの方向性伝え方の例
クライアントとエンジニアの板挟みで疲れた担当したい役割を主語にする一つの領域に集中して成果を出せる働き方をしたい
評価がクライアント依存で努力が報われない評価されたい基準を主語にする自分の行動と成果の関係が明確な評価制度で働きたい
ノルマが重く数字に追われる目指したい成果の質を主語にする短期の数字だけでなく顧客との関係構築に時間をかけたい
提案営業の経験を積む機会が少ない伸ばしたいスキルを主語にする課題解決型の提案営業のスキルを継続して磨きたい
  • 転職理由の本音を一度すべて書き出す
  • 本音の裏にある「次に求める働き方」を言語化する
  • 言い換えた理由が志望動機と矛盾していないか確認する
  • 成約件数など数字を使う場合は具体的な期間を添える
  • 面接前に声に出して一度話してみる
編集部

不満を消す必要はありません。同じ事実でも、何を主語にして話すかで伝わり方が変わることを覚えておきましょう。

転職活動を進める方法 エージェント選びと求人票の確認点

転職活動の求人票を確認するチェックリストのイラスト

転職活動を進めるうえでは、IT業界や営業職への理解があるエージェントを選ぶことと、求人票の記載を自分で読み解く力の両方が必要です。特定のエージェント名を挙げておすすめすることはできませんが、選ぶときに確認すべき基準は共通しています。基準を先に持っておくと、複数のエージェントを比較するときに迷いが減ります。

IT営業に理解のあるエージェントを選ぶ基準

エージェントを選ぶときは、IT業界や営業職の転職支援実績が公表されているか、担当者がSES業界の構造を理解した提案をしてくれるかを確認します。複数のエージェントに登録し、紹介される求人の傾向や担当者の説明の具体性を比較すると、自分に合う相談相手を見極めやすくなります。一社だけに頼らず、情報源を複数持つことが遠回りを防ぎます。

求人票で確認しておきたい項目

求人票では、給与の内訳(固定給とインセンティブの比率)、評価制度が自社基準かクライアント基準か、担当する商材や商流の深さを確認する必要があります。記載が曖昧な項目は、面談や面接の場で具体的に質問し、入社後に前職と同じ構造の会社だったという事態を避けることが大切です。逆質問の準備は、志望度の高さを示す機会にもなります。

  • 固定給とインセンティブの比率
  • 評価制度が自社基準かクライアント基準か
  • 担当予定の商材・業界とその商流の深さ
  • 一人が抱える業務範囲(分業されているか)
  • 離職率や平均勤続年数の開示状況
⚠️ 注意したい点

求人票の年収レンジやインセンティブの記載だけで判断すると、入社後に評価の仕組みが前職と変わらないと気づくことがあります。面談で具体的な質問を必ず用意しましょう。

よくある質問

SES営業からの転職について、検索で多く調べられている質問をまとめました。転職理由の伝え方や年収の考え方は個別の状況によって事情が変わるため、ここでの回答は一般的な考え方の目安として読んでください。以下は2026年9月18日時点で確認した情報にもとづいており、統計や調査の数値は今後更新される可能性があります。個人の転職体験談は含まれていません。

SES営業からの転職理由で多いのは何ですか

多く挙げられるのは、クライアントとエンジニアの板挟みになる負荷、評価が客先の評価に左右されやすいこと、ノルマの重さの3点です。これらをそのまま面接で話すと環境への不満が中心の人だと受け取られやすくなります。不満そのものをなくす必要はなく、その裏にある「次にどう働きたいか」を言葉にして伝えることが評価につながります。転職理由を整理する段階で、この変換作業を必ず挟むようにしましょう。

SES営業から未経験でも異業種の営業職に転職できますか

営業としての基礎的な経験があるため、業種未経験の枠であっても職種未経験よりは間口が広い傾向があります。ただし業界知識をゼロから積み上げる必要があり、準備期間は同業界内での転職より長めに見ておく必要があります。ヒアリング力や折衝力といった、業界を問わず活かせるスキルを具体的なエピソードとともに説明できるようにしておくと、選考で評価されやすくなります。

SES営業からの転職に有利な年収の考え方はありますか

SES営業に限定した平均年収や中央値を示す公的な統計は見当たらず、転職エージェント各社が示す年収の目安は独自調査にとどまります。年収の絶対額を比較するより、固定給とインセンティブの比率、評価制度が自社基準かクライアント基準かという構造の違いを確認するほうが、入社後のミスマッチを避けやすくなります。求人票の記載を鵜呑みにせず、面談で具体的に質問することをおすすめします。

転職エージェントは1社に絞るべきですか

1社に絞る必要はなく、複数のエージェントに登録して紹介される求人の傾向や担当者の提案内容を比較することをおすすめします。エージェントごとに強い業界や取引企業が異なるため、比較することで自分に合う求人や相談相手を見つけやすくなります。特定のエージェントの評判を断定的に語る情報は参考程度にとどめ、実際にやり取りして判断することが大切です。

まとめ

SES営業からの転職は、板挟みの負荷やクライアント依存の評価という構造を理解したうえで、転職先を同業のSES営業・分業型のIT営業・人材紹介営業・完全な異業種営業の4パターンで比較すると判断しやすくなります。面接では板挟みやノルマといったネガティブな理由をそのまま話すのではなく、次に求める働き方を主語にして言い換える準備が評価につながります。求人票の年収レンジだけで判断せず、評価の仕組みを面談で確認することも忘れないでください。

転職理由の伝え方をさらに詳しく整理したい場合はSESからの転職理由と面接対策をまとめた記事を、異業種への転職を具体的に検討したい場合はSESから異業種への転職を解説した記事を参考にしてください。転職に関するほかの記事は転職カテゴリの記事一覧でご覧いただけます。