未経験からのWebエンジニア転職 サイトの選び方と年収相場の確認方法
未経験からWebエンジニアへ転職しようとすると、乱立する転職サイトのどれを使えばいいか迷います。最初に見るべきは、掲載求人の実務未経験可否と、求人媒体型かエージェント型かという運営形態の2点です。この記事では、サイト選びの軸に加えて、Webエンジニアの年収相場を一次統計で確認する方法、未経験からの転職の流れ、ポートフォリオの作り込み具合、経験者との違いまでまとめて解説します。
Webエンジニアの未経験転職について、転職サイト各社の公開情報や厚生労働省の統計にあたって書いています。厚生労働省「雇用動向調査」「賃金構造基本統計調査」を2026年9月13日に確認しました。個人の転職体験談は掲載していません。
未経験からWebエンジニアへ転職するサイト選びの基本
未経験者が転職サイトを選ぶときにまず確認すべきは、掲載されている求人が実務未経験を前提にしているかどうかです。「未経験歓迎」と書かれていても、実際は業務未経験可であり、プログラミングの学習経験は前提にしている求人が大半です。加えて、サイトの運営形態が自分で求人を探す求人媒体型か、担当者が求人を紹介するエージェント型かによって、使い方も変わってきます。
顕在ニーズ 応募できる求人の見極め方
未経験からWebエンジニアを目指す人の顕在ニーズは、自分でも応募できる求人がどこにあるかを知ることです。求人サイトの検索条件に「未経験可」の絞り込みがあっても、応募後の書類選考で学習経験の有無を確認されるケースが多く見られます。求人サイトを見る前に、HTMLやCSS、JavaScriptなど基礎学習にどれだけ着手しているかを整理しておくと、応募できる求人の見極めがしやすくなります。
潜在ニーズ 遠回りしたくない不安
サイト選びの潜在ニーズは、どのサイトを使えば遠回りせずに転職できるかという不安です。登録するサイトの数を増やすほど良いわけではなく、運営形態が異なる2〜3サービスを使い分けるほうが比較検討はしやすくなります。特化型を1つ、総合型やスカウト型を1つ組み合わせる使い方が、複数の転職支援メディアで紹介されています。
- 掲載求人に実務未経験可の条件が明記されているか
- 求人媒体型かエージェント型か、運営形態がどちらか
- 担当者がWeb系開発の求人に詳しいか
- ポートフォリオを見た上での求人紹介に対応しているか
- 地方在住でも紹介できる求人があるか
求人サイトは1つに絞らず、運営形態が違うサービスを2〜3個使い分けると比較がしやすくなります。
Webエンジニアの年収相場を一次情報で確認する
Webエンジニアの年収相場を調べるときは、まず平均値と中央値のどちらを見ているかを区別する必要があります。求人サイトや転職エージェントが公表する年収データの多くは、算出に使った母集団や集計方法が明記されておらず、そのまま他の統計と比較できません。厚生労働省の賃金構造基本統計調査には、職種別に所定内給与額の分布特性値(中央値を含む)を示した統計表があり、誰でも確認できます。
平均と中央値の違いに注意する
平均値は極端に高い年収の人がいると引き上げられますが、中央値は全体を並べたときにちょうど真ん中に来る値です。Web系の職種は経験者と未経験者の年収差が大きいため、平均値だけを見ると実態より高く感じられることがあります。求人サイトが「平均年収」として掲載している数字を見るときは、対象が全会員なのか転職成功者だけなのかも確認しておく必要があります。
未経験入社時の年収を確認する方法
未経験入社時の年収について具体的な金額を掲載する記事は多くありますが、調査対象の人数や時期が明記されていないものが目立ちます。本記事では根拠が確認できない年収額をそのまま数字として示すのではなく、公的統計で確認する手順を示します。賃金構造基本統計調査では、職種(小分類)のうち社内システムエンジニアやプログラマーが分類される「ソフトウェア作成者」の項目で、年齢階級別の所定内給与額と分布特性値を確認できます。
転職による年収の変化については、厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概要」で全業種を対象にした数値が公表されています。2024年に転職した人のうち、賃金が前職より増加した割合は40.5%、減少は29.4%、変わらないは28.4%でした。Web・IT業界に限定した数値ではありませんが、転職で年収がどう動くかの目安として参考にできます。
| 確認項目 | 公的統計(賃金構造基本統計調査) | 求人サイト・エージェントの年収データ |
|---|---|---|
| 集計対象 | 職種別に抽出された全国の労働者 | 自社の登録者や転職成功者に限られることが多い |
| 中央値の公開 | 分布特性値として中央値を確認できる | 平均値のみの掲載が多く、算出方法が非公開なことが多い |
| 更新頻度 | 年1回、政府統計として公表 | 記事の更新時期によって差がある |
求人サイトの「未経験からの平均年収は◯万円」のような数字を見たら、まず調査対象の人数と時期が書かれているかを確認してください。書かれていない数字は参考程度にとどめましょう。
未経験からWebエンジニアになるまでの流れ
未経験からWebエンジニアへ転職するまでの流れは、自己分析、学習、ポートフォリオ制作、転職活動という4段階で紹介されることが多く見られます。学習を始める前に、フロントエンドとバックエンドのどちらに関心があるかをある程度決めておくと、学ぶ言語やポートフォリオのテーマが選びやすくなります。焦って複数の言語に手を広げるより、1つの領域を選んで基礎を固める順番が、複数の転職支援メディアで推奨されています。
学習からポートフォリオ制作までの順番
基礎学習を終えたら、次はポートフォリオの制作に移ります。学習と並行してポートフォリオのテーマを考え始めると、何を学べば作りたいものが実現できるかが逆算しやすくなります。学習だけを先に終わらせてからテーマを考えると、すでに学んだ範囲に縛られてテーマの幅が狭くなりやすい点には注意が必要です。
未経験者がつまずきやすい選考ステップ
未経験者の選考では、書類選考よりも技術面接やコーディング課題でつまずく人が多いと、複数の転職支援メディアで指摘されています。ポートフォリオの完成度だけで通過を判断されるわけではなく、なぜその実装にしたかを説明できるかまで見られています。作った理由と工夫した点を、自分の言葉で話せる状態にしておくことが選考通過につながります。
- 自己分析(フロントエンドかバックエンドか)
- 基礎学習(HTML・CSS・JavaScriptなど)
- ポートフォリオ制作
- 応募書類の作成
- 技術面接・コーディング課題対策
学習とポートフォリオのテーマ決めは同時に進めると、遠回りが減ります。
ポートフォリオはどこまで作り込むべきか
Webエンジニアの未経験転職では、ポートフォリオの有無だけでなく、何を作ったかと、なぜその作り方にしたかの説明が評価対象になります。既存サービスの模倣で終わらせず、機能を1つ絞って独自の工夫を加えるほうが、面接で説明しやすくなります。プログラミングスクールが公開している目安では、評価されやすいポートフォリオの制作に800時間から1000時間程度を充てるケースが紹介されています。
採用担当者が見ているポイント
採用担当者は完成度の高さそのものより、課題をどう見つけ、どう解決したかという思考の過程を見ていると、複数の転職支援メディアで説明されています。説明資料には、成果物の概要、使用した技術、作業の流れ、直面した課題、その解決策という順で書くと伝わりやすくなります。見た目のデザインだけを整えて中身の説明が薄いと、かえって評価が下がる場合があります。
応募先によって変わる完成度の目安
自社でWebサービスを開発している企業ほど、ポートフォリオの技術的な工夫を細かく確認する傾向があります。受託開発やSES(客先常駐で働く形態)中心の企業では、完成度そのものより学習意欲や継続力が見られる場合があると紹介されています。応募先の開発体制がどちらに近いかを求人票や企業サイトで確認してから、説明の力点を調整すると効果的です。
| 応募先の開発体制 | 見られやすいポイント | 完成度の目安 |
|---|---|---|
| 自社開発中心 | 技術的な工夫やコードの質 | 独自の機能を1つ以上盛り込む |
| 受託開発中心 | 要件を満たす完成度 | 主要機能が一通り動作する |
| SES中心 | 学習意欲や継続力 | 学習ログや制作過程もあわせて提示する |
- 成果物の概要(何を作ったか)
- 使用した技術(言語・フレームワーク)
- 作業の流れ(設計から実装までの手順)
- 直面した課題
- 課題への解決策と結果
見た目を整えるより、なぜその機能を作り、どう工夫したかを言葉で説明できる状態にしておくほうが評価につながります。
転職サイトとエージェントを比較する軸
転職サイトとエージェントの違いは、求人を自分で探すか、担当者に紹介してもらうかという運営形態の違いです。このほかに、企業から直接オファーが届くスカウト型と、コーディングテストの結果をもとに求人を紹介するスキルチェック型という運営形態もあります。志望する開発領域が明確なら特化型、まだ決まっていないなら総合型を選ぶという使い分けが、複数の比較記事で共通して紹介されています。
IT特化型と総合型の違い
IT・Web領域に特化したサービスは、担当者が技術用語やSES・自社開発・受託開発といった働き方の違いを理解している点が特徴だと紹介されています。総合型のサービスは、扱う求人の分野が幅広い点が特徴です。どちらが向いているかは、志望領域をすでに決めているか、まだ広く求人を見たい段階かによって変わります。
スカウト型・スキルチェック型という選択肢
スカウト型は、登録したプロフィールを見た企業から直接連絡が届く仕組みです。自分で応募先を探す手間を減らせる一方、経験や学習実績をプロフィールに具体的に書かないとオファーが届きにくい傾向があります。スキルチェック型は、コーディングテストの結果をもとに求人が紹介される仕組みで、実力を数値で示せる未経験者には選択肢になり得ます。
| 運営形態 | 仕組み | 未経験者との相性 |
|---|---|---|
| 求人媒体型 | 自分で求人を検索し直接応募する | 応募数を自分でコントロールしたい人向け |
| エージェント型 | 担当者が求人を紹介し選考も支援する | 初めての転職で相談相手が欲しい人向け |
| スカウト型 | プロフィールを見た企業から連絡が届く | 学習実績を具体的に書ける人向け |
| スキルチェック型 | コーディングテストの結果で求人を紹介 | 実技力に自信がある人向け |
- 公開求人数と非公開求人の有無
- 対応しているエリアや職種の幅
- 担当者がWeb領域に詳しいか
- 利用開始までの登録・面談の流れ
- 連絡頻度や希望条件への調整のしやすさ
当編集部は特定の転職サイト・転職エージェントを実際に利用した実績がないため、個別サービス名を挙げたおすすめやランキングは掲載していません。比較するときは、各社が公表している対応領域や求人数といった条件だけで判断してください。
「ランキング1位だから」ではなく、「自分の志望領域や学習状況に合う運営形態か」で選ぶほうが失敗しにくいです。
経験者と未経験者で転職サイトの使い方はどう違うか
経験者は使用する技術(言語やフレームワーク)の一致度や年収レンジで求人を絞り込むのに対し、未経験者は研修制度の有無や教育体制で絞り込む傾向があります。同じ転職サイトを使っていても、検索条件で何を優先するかが経験レベルによって変わります。未経験者が経験者向けの検索軸をそのまま真似ると、条件に合う求人が見つからず苦戦しやすくなります。
経験者が重視する検索軸
経験者の転職では、使用言語やフレームワークが現職と一致しているか、開発における裁量の範囲がどこまで認められているかが重視される傾向にあります。即戦力採用を前提にした求人が多いため、経験年数や実績を具体的に伝えられる職務経歴書の準備が重要になります。年収についても、現職からの上げ幅を提示できる材料を用意しておくと交渉がしやすくなります。
未経験者が重視すべき検索軸
未経験者は、研修制度の有無と、入社後にどの業務から担当するのかが明記された求人を優先すると、入社後のギャップを減らせます。「未経験歓迎」という表記だけで判断せず、研修期間の長さと、その後どんな業務に移るかまで確認することが重要です。給与テーブルが経験者と別に用意されているかどうかも、入社後の年収の伸び方を左右します。
- 研修制度の有無と期間
- 入社後に担当する業務の内容
- 未経験者向けの給与テーブルの有無
- 質問や相談の仕組み(チャット・1on1の頻度)
- 評価の基準が成果物か稼働時間か
同じサイトでも、検索条件で何を優先するかを経験レベルに合わせて変えるだけで、見える求人がかなり変わります。
よくある質問
未経験からのWebエンジニア転職について、検索で多く調べられている質問をまとめました。個別の企業や状況によって事情は変わるため、一般的な考え方としての回答です。統計や調査の数値は今後更新される可能性があるため、実際に確認するときは公表年を確認してください。以下は2026年9月13日時点で確認した情報にもとづいています。
未経験でも本当にWebエンジニアに転職できますか
未経験からの転職を支援する求人サイトやエージェントは複数あり、未経験可を掲げる求人も一定数存在します。ただし業務未経験可であってもプログラミングの学習経験は前提にしている求人が大半のため、応募前に基礎学習とポートフォリオ制作を進めておく必要があります。年齢や現在の職種だけで諦める前に、まず学習をどれだけ進めているかを整理してみてください。
Webエンジニアの年収は本当に低いのですか
求人サイトが掲載する年収額の多くは算出根拠が非公開のため、そのまま実態として受け取ることはおすすめできません。厚生労働省の賃金構造基本統計調査には、職種別に所定内給与額の中央値を含む分布特性値を示した統計表があり、誰でも確認できます。未経験入社時は経験者より年収が低くなりやすい傾向は各社の記事で共通していますが、具体的な金額は公的統計で確認する習慣をつけることをおすすめします。
ポートフォリオが無いと選考に進めませんか
ポートフォリオが無くても書類選考に進める求人はありますが、未経験者の場合はポートフォリオがあるほうが学習意欲や技術力を具体的に示せます。作る場合は、既存サービスの模倣で終わらせず、機能を1つ絞って工夫を加え、その工夫を自分の言葉で説明できる状態にしておくことが重要です。完成度の高さより、なぜその作り方にしたかの説明のほうが評価に影響します。
転職サイトやエージェントは何社くらい使えばいいですか
運営形態が異なる2〜3サービスを組み合わせて使うと、求人の見え方や担当者からの提案を比較しやすくなります。求人媒体型を1つ、エージェント型かスカウト型を1つ組み合わせる使い方が、複数の転職支援メディアで紹介されています。数を増やしすぎると連絡対応に時間を取られるため、まずは2〜3社から始めて、必要に応じて増減する進め方が現実的です。
まとめ
未経験からWebエンジニアへ転職するサイト選びは、掲載求人の実務未経験可否と、求人媒体型・エージェント型・スカウト型・スキルチェック型のどの運営形態かを確認することから始まります。年収相場や学習時間の目安を調べるときも、出典が明記された情報かどうかを確認する習慣が、遠回りを防ぐ最も確実な方法です。ポートフォリオは完成度そのものより、何を工夫し、なぜその作り方にしたかを説明できる状態にしておくことが選考で評価されます。
本記事では、根拠が確認できない年収額や、利用実績のないサービスの「おすすめ」は掲載しませんでした。厚生労働省の雇用動向調査や賃金構造基本統計調査など、母集団と時点が分かる統計だけを掲載しています。転職サイトやエージェントを選ぶときも、ランキングの順位ではなく、運営形態や対応領域といった公表されている条件で比較することをおすすめします。
エンジニアの年収を中央値から確認する方法はエンジニアの年収の中央値を確認する記事にまとめています。ほかの記事は転職カテゴリの記事一覧、当サイト全体の記事は記事一覧、運営方針は運営者情報をご覧ください。