インフラエンジニア未経験の転職に資格は必要か 取得順序と費用の目安

インフラエンジニアの未経験求人には「資格取得者歓迎」という表記がよく見られますが、資格が無ければ選考に通らないわけではありません。資格が実務経験の代わりに市場価値を示す場面と、資格だけでは埋まらない部分を分けて考える必要があります。この記事では、代表的な資格の違いと取得の順番、勉強時間・費用の目安、資格を取っただけでは避けられない失敗パターンを整理します。利用実績のない資格スクール・転職エージェントの「おすすめ」は掲載していません。

この記事を書いた人
エンジニア転職ラボ編集部IT・エンジニア転職の解説メディア

インフラ関連資格の受験案内や転職メディアの公表情報にあたり、IPA・LPI-Japanなど運営団体の一次情報を確認できる範囲と、民間サイトの推定にとどまる範囲を分けて書いています。情報は2026年9月20日に確認しました。個人の転職体験談は掲載していません。

インフラエンジニア未経験の転職に資格は本当に必要か

資格が必要かどうかを確認するイラスト

インフラエンジニアとして働くこと自体に、資格取得は法律上も制度上も必須ではありません。実務経験を十分に積んでいれば、資格が無くても採用され、業務を担当することは可能です。ただし実務経験がゼロの未経験者にとっては、資格の有無が選考時の判断材料の一つになりやすいという事情があります。この記事では、資格が果たす役割と、資格だけでは補えない部分を分けて説明します。

資格がなくても働けるのか(実務経験者との違い)

複数の転職メディアが、資格を保有していなくても実務経験があればインフラエンジニアとして就業できると説明しています。選考で重視されるのは資格そのものより、担当した業務の範囲と、障害対応や運用改善にどこまで関わったかという実績です。すでに実務経験がある人が転職する場合は、資格の有無より職務経歴の棚卸しを優先したほうが効率的です。

未経験者にとって資格が「通行手形」になる理由

実務経験がゼロの応募者を評価する材料は、書類上は学習意欲と基礎知識の証明に限られます。SNS上には、未経験からインフラ・クラウドエンジニアへの転職を考えている人には資格取得が欠かせないという現役エンジニアの投稿も見られます。資格は「現場に出しても最低限の知識はある」という確証を採用側に与える役割を担っています。

  • 資格が示せること 用語や仕組みについての体系的な基礎知識
  • 資格が示せないこと 障害対応など実際の現場での判断力
  • 資格が示せること 学習を最後までやり切った継続力
  • 資格が示せないこと チームでの報告・連絡・相談の実践力
編集部

実務経験がまったく無い場合は、資格をゼロから1つ取ることをまず検討してみましょう。すでに現場経験があるなら、資格より職務経歴の整理を優先して構いません。

国家資格とベンダー資格の違いを理解する

国家資格とベンダー資格を比べるイラスト

インフラエンジニアが検討する資格は、大きく「国家資格(情報処理技術者試験)」と「ベンダー資格」の2種類に分かれます。国家資格はIT分野全般の基礎知識を幅広く問う内容で、ベンダー資格はCisco・AWSなど特定の製品・技術を扱う実技寄りの内容という違いがあります。まずはこの2種類の性格の違いを押さえておくと、資格選びで迷いにくくなります。

国家資格(基本情報技術者試験など)の位置づけ

基本情報技術者試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する国家試験で、ネットワーク・データベース・セキュリティなどIT全般の基礎知識を問います。2026年9月20日時点でIPA公式サイトの案内では、受験手数料は7,500円(税込)とされています。インフラ分野に限らず評価される資格のため、将来的に職種を変える可能性がある人にも向いています。

ベンダー資格(CCNA・LinuC・AWS認定)の位置づけ

ベンダー資格は、特定の技術領域を実務に近い形で問う資格です。ネットワーク領域はCCNA(シスコ技術者認定)、サーバー・OS領域はLinuC(またはLPIC)、クラウド領域はAWS認定というように、担当したい領域ごとに対応する資格が分かれています。求人票に書かれた「歓迎資格」の欄を見れば、その企業がどの領域を重視しているかの手がかりになります。

  • 担当したい業務領域(サーバー・ネットワーク・クラウド)が決まっているか
  • 求人票の「歓迎資格」欄にどの資格が書かれているか
  • 資格に有効期限があるかどうか
項目国家資格(基本情報技術者試験など)ベンダー資格(CCNA・LinuC・AWS認定など)
実施団体IPA(独立行政法人)Cisco・LPI-Japan・AWSなど各企業・団体
問われる内容IT全般の基礎知識特定製品・技術の実技的な知識
有効期限原則なし資格により期限がある場合が多い

未経験者向けの代表的な資格と特徴

資格ごとの特徴を学ぶイラスト

未経験者がまず検討する資格として名前が挙がりやすいのは、LinuC(またはLPIC)・CCNA・AWS認定の3系統です。いずれも未経験者でも学習期間を確保すれば挑戦できる基礎レベルの試験区分が用意されています。3系統をすべて取る必要はなく、担当したい業務領域に近いものから1つずつ着手するのが現実的です。ここでは3系統それぞれの特徴を、担当したい業務領域と結び付けて整理します。

LinuC/LPICレベル1 サーバー領域の基礎資格

LinuC(またはLPIC)レベル1は、サーバーで広く使われるLinuxの操作・設定に関する基礎知識を問う資格です。運営元LPI-Japanの受験案内によると101試験・102試験の2科目に合格する必要があり、受験料は1科目16,500円(税込)で2科目合計33,000円とされています。サーバーの運用・監視業務を担当したい人がまず検討する資格です。

CCNA ネットワーク領域の登竜門資格

CCNA(シスコ技術者認定アソシエイト)は、ネットワークの構築・運用に関する知識を問う資格で、ネットワークエンジニアの登竜門と位置づけられています。受験料はシスコが米ドル建てで設定しており、複数の受験案内サイトでは42,600円(税抜)程度が目安とされていますが、為替レートによって日本円の金額が変動する点に注意が必要です。ネットワーク機器の設定・管理を担当したい人に向いています。

AWS認定 クラウド領域を志向するなら

AWS認定は、Amazon Web Servicesの利用スキルを証明する資格で、クラウド関連の業務を志向する人が検討します。入門区分のクラウドプラクティショナー(CLF)のあと、設計を学ぶソリューションアーキテクト-アソシエイト(SAA)へ進む流れが一般的で、SAAの受験料は複数の解説サイトで16,500円と案内されています。オンプレミスのサーバー・ネットワーク知識が土台になるため、AWS認定だけを狙うより前段階の学習と組み合わせる方法が紹介されています。

  • LinuC/LPICレベル1 サーバー・Linuxの基礎(運用・監視向き)
  • CCNA ネットワークの構築・運用の基礎(ネットワーク志向向き)
  • AWS認定(CLF・SAA) クラウドの利用・設計の基礎(クラウド志向向き)
編集部

3つとも同時に取る必要はありません。まずは自分が担当したい領域に近い資格を1つ選び、そこから広げていく進め方が現実的です。

どの資格から取るべきか キャリアの入り口別の判断フロー

資格を選ぶ手順を示すイラスト

資格の取得順序に絶対の正解はありませんが、複数の転職メディア・資格解説サイトでは「LinuC(またはLPIC)からCCNA、そしてAWS認定へ」という進め方が王道として共通して紹介されています。ただし最適な順序は、未経験からどの業務で入社したいかによって変わります。ここでは3つの入り口別に、優先して取るべき資格を整理します。

監視・運用スタートを目指す場合

未経験からの入社では、まず24時間体制のサーバー監視・運用業務からスタートする求人が多いとされています。この入り口を目指す場合は、Linuxの操作に慣れるLinuC(またはLPIC)レベル1を最初の1つとして選ぶ進め方が紹介されています。手順書に沿った作業が中心の業務のため、基礎資格1つでも応募の選択肢は広がります。

ネットワーク領域を志向する場合

将来的にネットワークの構築・設計に関わりたい場合は、CCNAを優先して取得する進め方が紹介されています。CCNAはネットワークエンジニアの基本資格と位置づけられており、サーバーとネットワークの両方を扱う現場でも評価されやすい傾向があります。CCNAのあとにLinuC(またはLPIC)を追加すると、担当できる業務の範囲が広がります。

クラウド領域を志向する場合

クラウド関連の業務に早く関わりたい場合は、AWS認定のクラウドプラクティショナー(CLF)から着手する進め方が紹介されています。ただしクラウドはオンプレミスのサーバー・ネットワークの知識が土台になるため、AWS認定だけを取得しても、それだけで設計業務を任されるとは限りません。LinuC(またはLPIC)やCCNAの基礎学習と並行して進める方法が現実的です。

  • 未経験からどの業務でまず入社したいか
  • 独学に充てられる学習時間を月にどれくらい確保できるか
  • 受験料を含めた総額の予算をいくらまでにするか
入り口最初に取る資格向いている業務
監視・運用スタートLinuC/LPICレベル1手順書に沿った運用・監視
ネットワーク志向CCNAネットワーク機器の設定・管理
クラウド志向AWS認定CLFクラウド環境の構築・移行
💡 ここだけ押さえる

3系統をいきなり並行して勉強すると、どれも中途半端になりやすいという声があります。まず1つを取り切ってから次に進む方が、学習を最後までやり切りやすくなります。

資格取得にかかる費用と勉強時間の目安

資格取得の費用を確認するイラスト

資格取得には受験料に加えて、教材費や講座費用がかかります。受験料だけを見ても、基本情報技術者試験は7,500円、LinuCレベル1は2科目合計33,000円というように資格によって幅があります。複数の資格を同時に狙うと費用も学習時間も分散するため、優先順位をつけてから申し込むことが重要です。ここでは主要な資格の受験料と勉強時間の目安を、一次情報にもとづいて整理します。

受験料の一覧と注意点

基本情報技術者試験の受験手数料は7,500円(税込)とIPA公式サイトの案内にあります。LinuCレベル1は2科目合計33,000円、AWS認定SAAは16,500円が目安とされ、CCNAはシスコが米ドル建てで設定しているため42,600円(税抜)前後とされていますが為替レートで変動します。申し込み直前には必ず公式サイトで最新の金額を確認してください。

勉強時間の目安と学習順序

勉強時間の目安は、前提知識の有無によって大きく変わります。複数の転職メディア・資格解説サイトでは、未経験からLinuCレベル1に1〜3か月、AWS認定SAAはIT未経験の場合で200〜300時間(4〜6か月)程度が目安として紹介されています。仕事を続けながら学習する場合は、まず1つの資格に学習時間を集中させる進め方が挫折を避けやすいとされています。

資格受験料の目安勉強時間の目安
基本情報技術者試験7,500円(税込)前提知識により数十〜200時間程度が目安として紹介される
LinuC/LPICレベル133,000円(税込、2科目合計)1〜3か月程度が目安として紹介される
CCNA42,600円(税抜、為替により変動)ネットワーク未経験の場合は数か月程度が目安として紹介される
AWS認定SAA16,500円IT未経験の場合200〜300時間(4〜6か月)程度が目安として紹介される
⚠️ 注意したい点

受験料はいずれも本記事の執筆時点(2026年9月20日)の目安です。円相場や制度改定で変わることがあるため、申し込み前に必ず運営団体の公式サイトを確認してください。

編集部

資格の合格率を「◯%」と紹介する記事もありますが、LinuCやCCNAの正確な合格率は運営団体から公式には公表されていません。数字を見たら公式発表か推定値かを確認する習慣をつけましょう。

資格を取っただけでは避けられない失敗パターン

転職活動の失敗談を振り返るイラスト

資格を取得すること自体は評価されますが、資格の有無だけで転職の成否が決まるわけではありません。SNS上には、資格を取得しても実務経験がゼロのままでは希望する条件で転職先が見つかりにくいという趣旨の投稿が見られます。資格を「取ったら終わり」にせず、選考でどう説明するかまで準備しておく必要があります。ここでは、資格取得後によく起きる失敗パターンを2つ整理します。

資格だけで「即採用」を期待して苦戦する型

SNS上には「クラウド経験が無くてもAWS認定を持っていれば即採用される」という趣旨の情報を鵜呑みにすることを批判する現役エンジニアの投稿があります。資格は書類選考を通過しやすくする材料にはなっても、実務経験がまったく無い場合は面接で業務理解の深さを問われる場面が増えるとされています。資格の勉強と並行して、学んだ内容を自分の言葉で説明できるように準備しておくことが重要です。

資格取得後も実務未経験のまま配属先が限られる型

SNS上には、LinuCの上位資格を取得しCCNAの学習も進めながら転職活動を続けている実質未経験の求職者の投稿も見られます。資格を積み上げても実務経験がゼロの間は、監視・運用スタートの求人が中心になりやすく、希望する年収や業務内容とのギャップが生じることがあります。資格取得と並行して、求人票の業務内容欄を具体的に確認する姿勢が欠かせません。

  • 資格の学習内容を自分の言葉で説明できる準備をしているか
  • 「資格さえあれば即採用」という情報をそのまま信じていないか
  • 求人票の業務内容欄を具体的なレベルまで読み込んでいるか

よくある質問

インフラエンジニア未経験の転職と資格について、検索で多く調べられている質問をまとめました。個別の企業や状況によって事情は変わるため、一般的な考え方としての回答です。受験料や合格率などの数値は2026年9月20日時点で確認した情報にもとづいており、申し込み前には必ず運営団体の公式サイトで最新情報を確認してください。

未経験からインフラエンジニアに転職するのに資格は必須ですか

資格が無ければ転職できないわけではありませんが、実務経験がゼロの場合は資格が学習意欲と基礎知識を示す材料になりやすいとされています。まずはLinuC(またはLPIC)レベル1のような基礎資格を1つ取得し、担当したい業務領域(監視・運用/ネットワーク/クラウド)に合わせて次の資格を検討する進め方が紹介されています。資格の有無だけでなく、求人票の業務内容欄を具体的に確認することも重要です。

資格はどれか1つだけ取れば十分ですか

1つの資格だけで転職活動を進めることは可能ですが、担当したい業務領域によって評価されやすい資格が異なります。監視・運用スタートならLinuC(またはLPIC)レベル1、ネットワーク志向ならCCNA、クラウド志向ならAWS認定というように、まず自分の入り口に合う資格を1つ選び、そこから必要に応じて広げていく進め方が現実的です。

CCNAとLinuCはどちらを先に取るべきですか

複数の転職メディア・資格解説サイトでは、未経験からキャリアを着実に積む場合はLinuC(またはLPIC)を先に取得し、そのあとCCNAへ進む順序が紹介されています。ネットワーク領域への志向がすでに固まっている場合は、CCNAを優先して取得する進め方も紹介されています。どちらを選ぶかは、担当したい業務領域を先に決めてから判断することをおすすめします。

資格の勉強と転職活動はどちらを先に始めるべきですか

資格の合格を待ってから転職活動を始める必要はなく、学習を進めながら並行して求人情報を確認しておく方法が紹介されています。求人票の業務内容欄や歓迎資格の記載を早い段階から確認しておくと、自分が取得すべき資格の優先順位を絞り込みやすくなります。資格取得を転職活動の唯一の準備にせず、職務経歴書や自己PRの整理も並行して進めることが重要です。

まとめ

インフラエンジニア未経験の転職において、資格取得は法律上も制度上も必須ではありませんが、実務経験がゼロの応募者にとっては学習意欲と基礎知識を示す材料になりやすいという事情があります。監視・運用/ネットワーク/クラウドという入り口別に、優先して取得すべき資格の順序が変わる点も整理しました。受験料や勉強時間の目安は本記事の執筆時点のものであり、申し込み前には必ず運営団体の公式サイトで最新情報を確認してください。

本記事では、LinuCやCCNAなどベンダー資格の正確な合格率が運営団体から公式に数値公表されていない点も明記しました。「資格さえあれば未経験でも即採用される」という情報をそのまま信じず、資格の学習内容を自分の言葉で説明できるように準備しておくことが、資格取得後の失敗パターンを避ける近道です。利用実績のない転職エージェント・資格スクールの「おすすめ」は掲載していません。

未経験インフラエンジニアの転職サイト・年収の考え方は未経験インフラエンジニアの転職サイトを比較した記事に、転職エージェントの選び方はインフラエンジニアの転職エージェントを比較した記事にまとめています。未経験エンジニア全般の転職エージェント選びは未経験エンジニアの転職エージェントおすすめの記事、転職に関するほかの記事は転職カテゴリの記事一覧、当サイト全体の記事は記事一覧をご覧ください。