エンジニア転職の履歴書・職務経歴書の書き方|未経験・スキルシートも解説

エンジニアの転職活動では、職務経歴書に何を書けばいいか分からず、業務内容を並べただけで提出してしまう人が少なくありません。履歴書と職務経歴書は役割が違う書類で、書き方の基本を知らないまま出すと書類選考で損をします。この記事では、厚生労働省が示す履歴書の様式例の変更点、経験者・未経験者それぞれの職務経歴書の書き方、客先常駐(SES)で求められるスキルシートとの違いまで、一次情報を確認しながら解説します。

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厚生労働省・ハローワークが公開する応募書類の資料や、転職エージェント各社の解説記事を確認して書いています。出典を示せない数値は掲載せず、2026年10月18日時点で確認できた情報にもとづいています。実在する個人の転職体験談は含みません。

履歴書と職務経歴書は役割が違う書類

応募書類を用意するエンジニアのイラスト

履歴書は学歴や職歴といった客観的な事実を伝える書類で、職務経歴書は実務での強みを自分の言葉でアピールする書類です。ハローワークが公開している資料でも、履歴書は客観的な経歴、職務経歴書は主観的にアピールする書類と整理されています。この違いを理解していないと、職務経歴書にも履歴書と同じ事実の列挙しか書けず、強みが伝わりません。

履歴書は事実、職務経歴書はアピール

履歴書には学歴・職歴・資格といった決まった項目を正確に書きます。一方の職務経歴書は記載形式が自由で、担当した業務の内容や工程、成果をどう伝えるかが評価の分かれ目になります。同じ転職活動の中でも、2つの書類には別の役割があることを前提に書き分ける必要があります。

職務経歴書を求める企業が増えている

求人への応募では履歴書の提出が基本ですが、近年は職務経歴書もあわせて求められることが多くなっています。特にエンジニア職は実務経験の内容が採否に直結しやすく、職務経歴書を書かずに応募できる求人はむしろ少数です。履歴書だけで済むと考えず、最初から両方を準備する前提でスケジュールを組むと安心です。

  • 履歴書は学歴・職歴・資格など決まった項目を正確に書く書類
  • 職務経歴書は実務経験や強みを自分の言葉でアピールする書類
  • 記載形式は職務経歴書のほうが自由で書き手の工夫が入る
  • エンジニア職は職務経歴書もあわせて求められることが多い
  • 両方の役割の違いを理解してから書き始める
編集部

履歴書と職務経歴書を同じ発想で書くと、強みが伝わらない書類になりがちです。まず役割の違いを分けて考えてみてください。

2021年に変わった履歴書様式のポイント

履歴書の様式を見直すイラスト

現在広く使われている履歴書の様式は、2021年4月16日に厚生労働省が示した「履歴書様式例」がもとになっています。この様式例では性別欄が選択式から任意記載欄に変わり、通勤時間や扶養家族数などの項目が設けられなくなりました。古い様式のテンプレートを使い続けていると、こうした変更を知らないまま応募してしまうことになります。

JIS規格の様式例が2020年に削除された

履歴書の様式は、もともと日本規格協会が公開していたJIS規格の解説に様式例が掲載されていました。2020年7月、この様式例が日本規格協会によって削除されました。JIS Z 8303は帳票の仕上げ寸法などを定める規格で、履歴書の記載項目そのものを定めたものではなかったためです。様式例が無くなったことを受け、翌年に厚生労働省が独自の様式例を示しました。

厚生労働省履歴書様式例で変わった項目

2021年4月16日付で公表された厚生労働省の履歴書様式例では、性別欄が〔男・女〕の選択ではなく任意記載欄になりました。さらに「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の4項目は、様式例に設けないことになりました。様式例に法的拘束力はありませんが、公正な採用選考の観点から多くの企業がこれに準じています。

項目旧来の様式例2021年の様式例
性別欄男・女の選択式任意記載欄(未記載も可)
通勤時間記載欄あり欄を設けない
扶養家族数(配偶者を除く)記載欄あり欄を設けない
配偶者・配偶者の扶養義務記載欄あり欄を設けない
💡 ここだけ押さえる

様式例に法的拘束力はなく、企業が別の様式を使うことも可能です。ただし独自の記載欄を設ける場合は、公正な採用選考の観点に注意するよう厚生労働省が求めています。古いテンプレートを使っている場合は項目を見直しましょう。

職務経歴書の基本構成とボリューム

職務経歴書を整理するイラスト

職務経歴書は「職務要約」「職務内容」「自己PR」の3つの要素で構成するのが基本です。冒頭に職務要約を置いて経歴の要点を先に示し、そのあとに具体的な職務内容、最後に自己PRで強みを補強する順番が読みやすいとされています。章立てを決めずに書き始めると、情報が整理されずに読み手に伝わりにくくなります。分量の目安とあわせて、書く順番も先に決めておくと手が止まりにくくなります。

職務要約・職務内容・自己PRの3部構成

職務要約は、これまでの経歴を3〜5行程度で要約した部分です。職務内容では担当したプロジェクトごとに役割・使用技術・成果を具体的に書き、自己PRでは職務内容から導ける強みを言語化します。この3つを分けて書くことで、採用担当者は短時間でも経歴の全体像をつかみやすくなります。

分量はA4で1〜3枚にまとめる

職務経歴書の分量は、A4用紙で1〜3枚程度にまとめるのが一般的な目安です。経験が長くても工夫の跡が見えない羅列を増やすより、応募先と関連性の高い経験に絞って書くほうが評価されやすいとされています。枚数を埋めることを目的にせず、伝えたい内容から逆算して分量を決めることが大切です。

  • 職務要約は3〜5行程度で経歴の要点をまとめる
  • 職務内容はプロジェクト単位で役割・技術・成果を書く
  • 自己PRは職務内容から導ける強みを言語化する
  • 分量はA4で1〜3枚を目安にする
  • 応募先と関連性の低い経験は思い切って削る
編集部

職務経歴書は「何を経験したか」の記録ではなく、応募先に向けた説明資料です。関連性の高い経験から優先して書いてみてください。

経験者エンジニアの職務経歴書の書き方

経験を積んだエンジニアのイラスト

経験者エンジニアの職務経歴書では、担当した工程と役割を具体的に書くことが評価の分かれ目になります。「開発経験5年」のような経験年数だけの表現では実力が伝わりにくく、要件定義から運用保守までどの工程を担当したかを明示する必要があります。工程と役割が分かれば、採用担当者はポジションとの適合度を判断しやすくなります。

担当工程と役割を数字つきで書く

担当したプロジェクトごとに、チームの規模、担当した工程、成果を数字で示すと説得力が増します。「5人チームで要件定義から結合テストまでを担当し、処理速度を改善した」のように、規模・工程・成果をセットで書く形が伝わりやすい型です。数字を入れられない成果は、担当範囲の広さや工夫した点で具体性を補います。

技術スタックは習熟度つきで一覧にする

使用した言語やフレームワークは、箇条書きで一覧にしたうえで実務での習熟度を添えます。「Python(業務で3年、簡易ツールの自作経験あり)」のように年数や具体的な利用経験を書くと、技術名を並べるだけの書き方より伝わります。募集要項に挙がっている技術と自分のスキルを照らし合わせ、関連度の高い技術を上に置くと読みやすくなります。

書き方のポイントありがちな書き方伝わる書き方の例
担当工程開発経験5年要件定義〜結合テストを担当、チーム5人
成果保守運用を担当障害対応の平均復旧時間を短縮
技術欄Python、Java、AWSPython(業務3年)、Java(学習中)、AWS(EC2・RDS運用)
  • プロジェクトごとのチーム規模と自分の役割
  • 要件定義から運用保守までの担当工程
  • 数字で示せる成果(期間短縮・コスト削減など)
  • 使用した言語・フレームワークと実務での習熟度
  • 募集要項の技術と関連度の高いスキルを上位に並べる

未経験からエンジニアを目指す人の職務経歴書の書き方

未経験からプログラミングを学ぶイラスト

未経験からエンジニアを目指す場合、職務経歴書に書けるエンジニア経験そのものが無いことが多くあります。その場合は、前職での業務改善のためのツール作成やデータベースの利用など、エンジニアの仕事に近い経験を棚卸しして書くことが有効です。経験の有無だけで判断されるわけではなく、近い経験と学習意欲を具体的に示せるかが評価されます。

エンジニアの仕事に近い経験を棚卸しする

直接エンジニアとして働いた経験がなくても、業務の中でExcelの関数やマクロを作った経験、社内システムの導入に関わった経験などは記載する価値があります。開発者と連携した経験や、技術選定の相談に関わった経験も、エンジニアを志す理由を裏付ける材料になります。前職の業務を振り返り、技術に触れた場面を洗い出すことから始めます。

自己PRで学習意欲と再現性を示す

未経験者の自己PRでは、何を学び、どう身につけてきたかを具体的に書きます。学習時間や作成した成果物を数字や実例で示すと、意欲だけを述べるより説得力が増します。学んだことが前職の経験とどうつながるかまで書けると、採用担当者は入社後の成長を見通しやすくなります。

  • 前職の業務でツール作成やシステム導入に関わった経験を洗い出す
  • 開発者と連携した経験や技術選定に関わった経験も記載する
  • 学習時間や作成した成果物を数字・実例で示す
  • 学んだ内容と前職の経験のつながりを書く
  • 意欲だけでなく学習の継続性が分かる記述にする
編集部

未経験者の職務経歴書は「経験がない」ことを隠すより、近い経験と学習の過程を正直に見せたほうが評価されやすい傾向があります。

スキルシートの書き方と職務経歴書との違い

スキルシートの項目を確認するイラスト

スキルシートは、履歴書・職務経歴書とは別に、技術力に特化した内容をまとめる書類です。市販の決まった書式はなく、各自がExcelなどで作成するのが一般的で、派遣契約や客先常駐(SES)の案件でクライアント企業へ提出されることがあります。職務経歴書と似ていますが、求められる内容と提出先が異なるため、使い分けを知らないと準備で戸惑いやすい書類です。

スキルシートに決まった書式はない

スキルシートは会社や人によって書式がまちまちで、統一されたフォーマットは存在しません。自社サービス開発が中心でプロジェクト単位の整理が難しい場合は、スキルシートより記載が自由な職務経歴書のほうが合うこともあります。応募先から指定のフォーマットがある場合は、まずそちらに従います。

案件ごとに担当工程・役割・成果を書く

スキルシートでは、案件ごとに担当工程、チーム内の役割、使用技術、成果を分けて書きます。技術欄を並べるだけで成果に数字が無い、更新が半年以上前で止まっているといった状態は、選考の場で評価が下がりやすい典型的な特徴です。直近の案件から記載し、定期的に更新する習慣をつけておくと安心です。

観点職務経歴書スキルシート
目的経歴全体の説明と自己PR技術力と案件経験の確認
書式自由(自己PRを含む)会社・個人ごとに異なる自由形式
主な提出先応募企業全般派遣・客先常駐(SES)のクライアント企業
更新の目安応募ごとに見直す案件が変わるたびに更新する

応募パターン別の提出書類と書類選考で落ちやすい特徴

応募前にやることを確認するイラスト

提出が必要な書類は、正社員応募か客先常駐(SES)かといった応募パターンによって変わります。正社員応募では履歴書と職務経歴書の2点が基本ですが、客先常駐の案件ではスキルシートの提出も求められることが多くなります。応募パターンごとに必要な書類を事前に確認しておくと、準備漏れを防げます。書類選考で落ちやすい特徴もあわせて把握しておくと、出す前の見直しに役立ちます。

正社員・客先常駐・未経験で提出書類が変わる

正社員採用では履歴書と職務経歴書が基本の提出書類です。客先常駐(SES)の案件では、この2点に加えてスキルシートの提出を求められることが多く、未経験者の採用ではポートフォリオなど成果物の提出を求める企業もあります。求人票や転職エージェントからの案内で、何を何部用意すべきかを早めに確認します。

応募パターン履歴書職務経歴書スキルシート・成果物
正社員応募(経験者)必須必須企業により任意
客先常駐(SES)必須必須提出を求められることが多い
未経験者の応募必須必須(簡潔でよい)ポートフォリオを求める企業がある

書類選考で落ちやすい具体的な特徴

書類選考で落ちやすい職務経歴書には、共通する特徴があります。業務内容を箇条書きで羅列するだけで成果が書かれていない、関連性の薄い経歴まで含めて長すぎる、副業の経験を詰め込みすぎてキャリアの軸が見えにくい、といった点がよく指摘されます。提出前にこれらに当てはまっていないかを見直すだけでも、通過率は変わります。

  • 業務内容を箇条書きで並べるだけで成果が書かれていない
  • 応募先と関連性の薄い経歴まで含めて長すぎる
  • 副業の経験を詰め込みすぎてキャリアの軸が見えない
  • スキルシートの技術欄を並べるだけで更新が止まっている
  • 誤字脱字や入社・退社年月の記載ミスがある
⚠️ 注意したい点

履歴書・職務経歴書・スキルシートのいずれも、提出前に誤字脱字と日付の整合性を必ず確認してください。特に入社・退職の年月のずれは、経歴の信頼性そのものを疑われる原因になります。

編集部

提出書類の種類を間違えると選考の土台に乗れません。応募パターン別の一覧で、自分に必要な書類をもう一度確認してみてください。

よくある質問

エンジニアの転職における履歴書・職務経歴書の書き方について、検索でよく調べられている質問をまとめました。個別の状況によって事情は変わるため、一般的な考え方としての回答です。以下は2026年10月18日時点で確認した情報にもとづいており、個人の転職体験談は含まれていません。様式や制度が変わることもあるため、実際に応募するときは最新の情報を確認してください。

履歴書と職務経歴書はどちらも手書きで用意する必要がありますか

現在はパソコンで作成した履歴書・職務経歴書を提出する転職活動が主流です。手書きを指定する企業もありますが、求人票や応募要項に特に指定がなければパソコンで作成して問題ありません。パソコンで作成すると誤字脱字の修正や複数企業への使い分けがしやすく、ファイルとして保存しておけば次の応募時に流用できます。手書きを求められた場合は、楷書で丁寧に書き、修正液や二重線での訂正は避けて書き直すのが基本です。厚生労働省が示す履歴書様式例も、パソコンでの作成を前提に配布されています。

職務経歴書とスキルシートは両方提出する必要がありますか

応募先の企業や案件の形態によって異なります。正社員応募の多くは履歴書と職務経歴書の2点で足り、スキルシートの提出までは求められないことが一般的です。一方、客先常駐(SES)の案件では、クライアント企業が技術力を確認するためにスキルシートの提出をあわせて求めることが多くなります。求人票や転職エージェントからの案内に提出書類が明記されているので、応募前に必ず確認してください。指定がない場合は、職務経歴書だけで応募し、面談の中でスキルシートの提出を求められたら追加で準備する進め方でも問題ありません。

未経験からの転職でも職務経歴書は必要ですか

未経験からの転職でも、前職での経験を伝えるために職務経歴書の提出を求められることが一般的です。エンジニアとしての実務経験がなくても、前職の業務内容や、業務改善のために使ったツール、学習の過程を具体的に書くことで職務経歴書として成立します。分量は経験者より少なくなって構いません。無理に経験を誇張したり、関わっていない業務を担当したように書いたりせず、実際に経験した範囲を正確に書いたうえで、学習意欲や今後の方向性を自己PRで補う書き方が基本になります。

履歴書の性別欄は必ず記入しなければいけませんか

厚生労働省が2021年4月16日に示した履歴書様式例では、性別欄は〔男・女〕の選択式ではなく任意記載欄とされており、記入しないことも可能です。ただし、この様式例に法的拘束力はなく、企業が独自の様式を使っている場合は項目が異なることもあります。求人票や応募先の指定様式を確認したうえで、性別欄の扱いに迷う場合は、空欄のまま提出するか、応募先の人事担当者に直接確認する方法があります。様式例と異なる記載欄を設ける企業に対しては、公正な採用選考の観点から見直しを求める動きもあります。

まとめ

エンジニアの転職では、履歴書と職務経歴書の役割の違いを理解したうえで、経験者は担当工程と成果を数字で、未経験者は近い経験と学習意欲を具体的に書くことが基本になります。客先常駐(SES)ではスキルシートの提出もあわせて求められることが多く、応募パターンごとに必要な書類を事前に確認しておくと準備漏れを防げます。2021年に厚生労働省が示した履歴書様式例の変更点も踏まえ、古いテンプレートのまま応募していないかを一度見直してみてください。

職務経歴書と合わせて準備する書類について、経験者はポートフォリオの必要性を解説したエンジニアの転職にポートフォリオは必要かを解説した記事を、未経験者は未経験エンジニアの転職エージェントの選び方を解説した記事を参考にしてください。転職に関するほかの記事は転職カテゴリの記事一覧でご覧いただけます。