楽天のエンジニア年収はいくらか 有報・口コミ・求人票を比較する

「楽天 エンジニア 年収」で検索すると、有価証券報告書に基づく820万円前後という数字と、口コミサイトの500万円台という数字が両方出てきて戸惑う人が多いはずです。前者は職種を問わない全社員の平均で、後者は技術職に絞った口コミの平均であり、数えている集団が違います。この記事では、全社平均、技術職限定の口コミ、中途求人票のオファーレンジ、国の統計を出どころ別に並べて整理します。
求人票・転職口コミサイトの公開情報、有価証券報告書を紹介する転職メディアの記事、厚生労働省の統計にあたり、出どころを明示して書いています。情報は2026年10月10日に確認しました。個人の体験談は掲載していません。
楽天のエンジニア年収は820万円なのか
結論から言うと、820万円前後という数字は楽天グループの全社員の平均年間給与であり、エンジニア職だけを取り出した数字ではありません。同社が開示する有価証券報告書に基づく数値として複数の転職メディアが紹介しているのは、営業や企画など全職種を含めた提出会社単体の平均です。エンジニア職に絞った年収を知りたい場合は、この後で紹介する求人票や口コミサイトの技術職限定のデータをあわせて確認する必要があります。
全社平均とエンジニア職の年収は別物
有価証券報告書に記載される平均年間給与は、提出会社に所属する全従業員を対象にした数字です。楽天グループの場合、EC事業の営業職やモバイル事業の企画職なども合算されているため、エンジニア職だけの水準より高くも低くも出る可能性があります。エンジニア職の実態を知るには、次の章で紹介する求人票の想定年収や、職種を絞った口コミサイトのデータを見る必要があります。
本記事の情報源と確認日
本記事で紹介する数字は、楽天グループの有価証券報告書を引用した転職メディアの記事、転職会議(キャリコネ)とエンゲージの口コミ集計、中途求人票、厚生労働省の統計をもとに整理しています。この環境からはWebFetchで原本に直接アクセスできず、二次情報を経由した数値である点は本文中に明記します。情報の確認日は2026年10月10日です。
全社平均の820万円前後だけを見て「楽天のエンジニアは年収820万円」と判断するのは早いです。この後の章で職種別のデータを見ていきます。
有価証券報告書に見る全社平均年収の推移
転職メディア各社が引用する有価証券報告書の数値によると、楽天グループの提出会社単体の平均年間給与は2019年12月期の755万7000円から、2024年12月期には820万8000円まで上昇しています。直近の第29期(2025年12月期)は二次情報の集計で851万円とされ、上昇傾向が続いています。いずれも賞与や基準外賃金を含んだ全従業員の平均であり、エンジニア職限定の数字ではありません。
2019年から2024年までの平均年間給与
有価証券報告書ベースの集計によると、提出会社単体の平均年間給与は2019年12月期755万7000円、2020年12月期745万円、2021年12月期774万2000円、2022年12月期797万1000円、2023年12月期794万6000円、2024年12月期820万8000円(平均年齢35.3歳、平均勤続年数5.8年)と推移しています。2020年にいったん下がった後、2022年以降は上昇が続いています。
| 開示期 | 平均年間給与 |
|---|---|
| 2019年12月期 | 755.7万円 |
| 2020年12月期 | 745万円 |
| 2021年12月期 | 774.2万円 |
| 2022年12月期 | 797.1万円 |
| 2023年12月期 | 794.6万円 |
| 2024年12月期 | 820.8万円 |
直近期(2025年12月期)の数値と伸び
第29期にあたる2025年12月期の有価証券報告書は2026年3月26日に関東財務局長へ提出されており、二次情報の集計では平均年間給与が851万円とされています。前期の820万8000円と比べて、1年でおよそ30万円増えた計算です。正確な金額は有価証券報告書原本の「従業員の状況」欄に記載されますが、本記事の執筆時点ではEDINETの原本を直接確認できていません。
有価証券報告書の平均年間給与は、賞与やインセンティブを含んだ全従業員の平均です。EC事業の営業職やコーポレート部門などをまとめて割った数字であり、エンジニア職だけの水準を表すものではありません。あくまで会社全体の目安として捉えてください。
平均年収が上がっている背景には、中途採用の増員や事業構成の変化も影響します。人数構成が変わると平均値も動くため、推移だけで一人あたりの昇給幅を判断しないよう注意してください。
エンジニア職に絞った年収の実態(求人票と口コミ)
エンジニア職に絞ったデータでは、中途採用の求人票で想定年収600万円から1500万円のレンジが提示されており、転職会議(キャリコネ)の口コミ集計では技術(ソフトウェア関連)の平均が596万円です。求人票は今後採用する人への条件、口コミは在籍者の自己申告という性質の違いがあるため、両方を確認したうえで自分の経験年数に近い数字を参考にすることが大切です。
中途求人票に見る想定年収のレンジ
中途採用の求人では、アプリケーションエンジニアやスクラムマスター、プロジェクトマネージャーなどの職種で想定年収600万円から1500万円のレンジが示されています。マネジメント経験を求めるエンジニアリングマネージャー候補の求人では、想定年収900万円から1200万円という条件もあり、必須要件はソフトウェア開発の実務5年以上とマネジメント経験3年以上です。
- アプリケーションエンジニア(想定年収600万円〜1500万円)
- スクラムマスター(想定年収600万円〜1500万円)
- プロジェクトマネージャー(想定年収600万円〜1500万円)
- エンジニアリングマネージャー候補(想定年収900万円〜1200万円)
転職会議・エンゲージの口コミに見る技術職の年収
転職会議(キャリコネ)の口コミ集計によると、正社員549人の投稿にもとづく全体の平均年収は573万円で、レンジは252万円から1344万円です。職種別では技術(ソフトウェア関連)の平均が596万円、技術(研究開発)が662万円、技術(その他)が808万円となっています。別の集計であるエンゲージの口コミでは、IT系エンジニアの平均年収が828万円という数字もあり、集計方法によって振れ幅があります。
求人票のオファーレンジと口コミの平均に差があるのは、口コミには入社直後の若手社員も含まれるためです。自分の経験年数に近い年代の口コミを探すと実感に近づきます。
4つの年収データを1枚で比較する
ここまで紹介した数字を、性質の違う4系統に整理すると次の表のようになります。同じ「楽天 エンジニア 年収」という検索で出てくる数字でも、対象にしている集団がまったく異なることが分かります。
| データの種類 | 数値 | 数えている対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 有価証券報告書の全社平均 | 820.8万円(2024年12月期) | 全職種の全従業員 | 有価証券報告書(転職メディア引用) |
| 口コミの技術職平均(ソフトウェア関連) | 596万円 | 回答した正社員549人のうち技術職 | 転職会議(キャリコネ) |
| 中途求人票のオファーレンジ | 600万円〜1500万円 | 中途エンジニア採用の募集条件 | 求人票(TalentSquare掲載) |
| ソフトウェア作成者の全国平均 | 574万1200円 | 全国のソフトウェア作成者 | 令和6年賃金構造基本統計調査 |
同じ「年収」という言葉でも、数えている集団と性質がまったく違います。応募を検討する際は、自分の経験年数やポジションに近い数字だけを参考にしてください。
20代・30代・40代の年収とグレード(等級)制度
転職会議の口コミによると、20代の全体平均年収は509万円、技術(ソフトウェア関連)の20代は517万円です。OpenWorkの口コミを引用した転職メディアの記事では、30歳650万円、35歳759万円、40歳848万円という推定値も示されており、年収1000万円を超えるのは一般的に管理職グレード(A以上)になってからとされています。
20代エンジニアの年収目安(口コミ集計)
転職会議の口コミ集計では、20代の全体平均は509万円、職種別に見た技術(ソフトウェア関連)の20代は517万円です。新卒の給与がすべての職種で一律とは限らず、能力や配属によって差がつくとされているため、20代のうちから年収に幅が出やすい傾向がうかがえます。別の記事が引用するOpenWorkの口コミでは、30歳前後で650万円程度という推定値も見られます。
- 20代(全体平均、キャリコネ)509万円
- 20代(技術・ソフトウェア関連、キャリコネ)517万円
- 30歳前後(推定、OpenWork引用)650万円程度
- 35歳前後(推定、OpenWork引用)759万円程度
- 40歳前後(推定、OpenWork引用)848万円程度
| 年代 | 年収の目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 20代 | 517万円(技術・ソフトウェア関連) | 転職会議(キャリコネ) |
| 30歳前後 | 650万円程度(推定) | OpenWork引用の転職メディア記事 |
| 40歳前後 | 848万円程度(推定) | OpenWork引用の転職メディア記事 |
グレード(等級)制度と年収1000万円の壁
楽天グループの公式サイトでは、エンジニア向けの詳細なグレード別給与テーブルは公開されていません。転職メディアの記事がOpenWorkの口コミを引用して紹介しているのは、年収1000万円を超えるのは一般的に管理職グレード(A以上)になってからという目安です。中途採用のエンジニアリングマネージャー候補の求人が想定年収900万円から1200万円のレンジで出ていることも、管理職グレードへの昇格が年収を大きく動かす節目であることを裏付けています。
数字の母集団を確認したうえで判断したい方は、エンジニアの年収の中央値の読み方も参考にしてください。平均値と中央値では、外れ値の影響の受け方が大きく異なります。
厚労省統計「ソフトウェア作成者」との比較
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上のソフトウェア作成者の平均年間給与は574万1200円です。これは全国の当該職種の平均値であり、中央値ではありません。楽天グループの技術職口コミ平均596万円とほぼ同水準に見えますが、口コミの母集団は楽天在籍者549人に限られるのに対し、統計は全国のソフトウェア作成者が対象です。単純に優劣を比較できる数字ではありません。
- ソフトウェア作成者は統計上の職種名(社内SE・プログラマーなどが含まれる区分)
- 統計は全国平均、口コミは楽天在籍者549人の投稿
- いずれも平均値であり中央値ではない
「平均」としか書かれていない数字を見たときは、まず中央値なのか平均値なのか、次に誰を数えた数字なのかを確認する癖をつけると、求人票の数字も読み違えにくくなります。
楽天のエンジニア転職の難易度と評判
楽天グループの中途採用は、書類選考のあとWeb適性検査、複数回の面接を経て内定となる流れが一般的で、選考期間は2週間から1か月程度とされています。同社は2012年に社内の公用語を英語に変更しており、会議や資料など社内のやり取りが英語を前提に行われている点が、他社のエンジニア転職と比べた独自のハードルになっています。
中途選考の流れと英語力の壁
選考は書類選考、Web適性検査、現役社員や管理職との複数回の面接を経て内定に至る流れが一般的です。面接ではスキルやカルチャーフィット、志望動機などが評価されるとされています。加えて、楽天グループは2012年に社内の公用語を英語に変更し、新規採用エンジニアの7割から8割が外国籍社員とされるなど、英語でのコミュニケーションが日常的に求められる点が特徴です。昇進にはTOEICの基準点も関わるとされています。
- 書類選考
- Web適性検査
- 現役社員・管理職との面接(複数回)
- 内定(選考期間2週間〜1か月程度)
口コミに見る評判と働き方
転職会議の口コミ集計では、楽天グループの総合評価は3.1/5.0(レポート数1775件)で、月の平均残業時間は36.7時間です。インセンティブや成果が昇給に反映される点を評価する声がある一方、英語化への対応や成果へのプレッシャーを負担に感じる声もあるとされています。働き方の実態は部署や職種によって差があるため、応募前に面接で具体的な業務内容を確認することをおすすめします。
| 項目 | 口コミ集計値 |
|---|---|
| 総合評価 | 3.1/5.0(レポート数1775件) |
| 月の平均残業時間 | 36.7時間 |
| 技術(ソフトウェア関連)の平均年収 | 596万円 |
英語力に不安がある場合は、入社後の研修やTOEIC対策支援の有無を面接で確認しておくと安心です。
よくある質問
楽天グループのエンジニアの年収について、検索でよく調べられている疑問をまとめます。以下は2026年10月10日時点で、求人票・口コミサイト・公的統計から確認できた情報にもとづいて編集部が回答をまとめたものです。求人票の条件は職種や掲載時期によって変わるため、実際に応募する際は必ず最新の募集ページで内容を確認してください。
楽天のエンジニアの年収はいくらですか
有価証券報告書に基づく全社平均は2024年12月期で820万8000円ですが、これは全職種を含む数字です。エンジニア職に絞ると、転職会議の口コミによる技術(ソフトウェア関連)の平均は596万円、中途求人票の想定年収は600万円から1500万円のレンジが示されています。別の口コミ集計であるエンゲージではIT系エンジニアの平均が828万円という数字もあり、集計方法によって振れ幅があります。どの数字も対象が異なるため、自分の経験年数や職種に近いものを参考にしてください。
楽天の平均年収820万円はエンジニアも含みますか
含みますが、EC事業の営業職やコーポレート部門なども合わせた全社員の平均であり、エンジニア職だけを取り出した数字ではありません。有価証券報告書の平均年間給与は、提出会社に所属する全従業員を対象に算出される決まりになっています。エンジニア職の年収水準を知りたい場合は、求人票の想定年収や、職種を絞った口コミサイトのデータをあわせて確認する必要があります。
楽天のエンジニアは英語ができないと転職できませんか
検索した範囲では、楽天グループは2012年に社内の公用語を英語に変更し、会議や資料など社内のやり取りが英語を前提に行われているとされています。新規採用エンジニアの7割から8割が外国籍社員という紹介もあり、業務上英語でのコミュニケーションが日常的に求められる職場だと考えられます。英語力に不安がある場合は、入社後の研修制度の有無や求められる具体的なレベルを選考過程で確認しておくことをおすすめします。
楽天のエンジニアの転職難易度は高いですか
具体的な合格率などの公開データは確認できませんでしたが、転職メディアの解説記事では、中途採用の選考で現役社員や管理職とのカルチャーフィットや志望動機の解像度が問われるとされています。選考は書類選考、Web適性検査、複数回の面接を経て内定に至る流れが一般的で、選考期間は2週間から1か月程度です。英語力や開発経験の実務要件を事前に求人票で確認したうえで準備を進めると、選考に進みやすくなります。
まとめ
楽天グループのエンジニアの年収は、どのデータを見るかによって数字も対象も変わります。有価証券報告書に基づく全社平均は2024年12月期で820万8000円、二次情報による2025年12月期の集計では851万円とされていますが、これは全職種を含む数字です。エンジニア職に絞ると、転職会議の口コミによる技術(ソフトウェア関連)平均は596万円、中途求人票の想定年収は600万円から1500万円のレンジでした。
20代の口コミ平均は509万円程度で、年収1000万円を超えるのは管理職グレード(A以上)になってからという目安が示されています。国の統計であるソフトウェア作成者の全国平均574万円と比べても、遜色ない水準にあると言えそうです。あわせて、社内公用語が英語である点は、他社のエンジニア転職と比べた独自のハードルになります。
- 有価証券報告書の全社平均 820.8万円(2024年12月期、全職種)
- 口コミの技術(ソフトウェア関連)平均 596万円
- 中途求人票のオファーレンジ 600万円〜1500万円
- ソフトウェア作成者の全国平均 574万1200円
応募を検討する際は、募集職種ごとの想定年収と、自分の経験年数に近い口コミデータをあわせて確認することをおすすめします。年収データの読み方はエンジニアの年収の中央値の読み方や日本オラクルのエンジニア年収でも解説しています。ほかの企業の年収情報はU-NEXTのエンジニア年収、記事一覧はエンジニア転職ラボの記事一覧でご覧いただけます。